サバ缶、宇宙へ――高校生の挑戦に思うこと
先日、文部科学省から「サバ缶、宇宙へ行く」(フジテレビ系列・月曜21時放送)というドラマとタイアップしたポスターを送付するとの連絡がありました。専門高校の魅力を広く知ってもらうことが目的とのことです。そこで、どのような内容なのか気になり、調べてみました。
この作品は、福井県立若狭高等学校(旧・福井県立小浜水産高等学校)の生徒たちが、地元名産のサバ缶を宇宙食にするため、14年にわたり挑戦を続けた実話をもとにしています。2018年にはJAXAから「宇宙日本食」として認証され、2020年には野口聡一宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)で実際に試食しました。ISSから「美味し~い!」と感想を伝える映像も公開されており、高校生たちの夢が本当に宇宙へ届いたことに驚かされます。
この取り組みは、もともと一人の生徒の「宇宙食、作れるんちゃう?」という何気ない一言から始まったそうです。学校統合などさまざまな困難を乗り越えながら、その思いは先輩から後輩へ受け継がれ、ついに実現へと結びつきました。
そんな物語に触れながら、私はふと思いました。かつて、人類にとって宇宙は「夢」の象徴でした。しかし今では、民間企業による宇宙開発や宇宙旅行のニュースを目にする時代になっています。科学技術の進歩には目を見張るものがあります。その一方で、宇宙空間には人工衛星のデブリ(宇宙ごみ)が増え続けているとも言われています。宇宙開発には、国家間の競争という側面もあります。 だからこそ、サバ缶を宇宙へ届けた高校生たちのように、「新しい可能性に挑戦したい」「地域の魅力を伝えたい」という純粋な思いから生まれる取り組みこそが、これからの宇宙開発にも大切なのではないでしょうか。平和的で協力し合える未来へ――そんなことを考えさせられました。