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2025.09.24
校長より

戦争と平和を考える――土曜教養ゼミナールから

本校では、年に三回「土曜教養ゼミナール」を開き、生徒と保護者がともに学ぶ機会を設けています。先日は、国際政治を専門とする池上萬奈氏を講師に迎え、「世界をつなぐ国際政治~高校生が知るべき現代社会のリアル~」と題してお話を伺いました。

さらに今回は特別に、ウクライナから日本へ避難されたご家族も参加してくださいました。中学生と高校生のお子さんは、日本語で母国の文化や日本との違いなど、生徒からの質問に丁寧に答えてくれました。わずか三年で日本語を習得した努力に、生徒たちは驚きをもって耳を傾けていました。講演後には、お母様手作りのウクライナのクレープをいただきながら、笑顔で交流する姿もあり、国境を越えて心がつながる温かいひとときとなりました。

こうした交流の中で、改めて考えさせられたことがあります。国や文化の違いを越えて理解し合える子どもたちの姿を目の当たりにしながら、なぜ戦争は今も繰り返されるのだろう。本校の生徒たちは、ウクライナへの募金活動や国際平和デーのカード・折り鶴づくりなど、日常の中で平和への願いをかたちにしてきました。今回のゼミナールでの学びや交流もまた、その輪を広げる一歩となったと感じます。 今年は戦後八十年。語り部の方々の声が少なくなりつつある今、私たちは「ヒロシマ」「ナガサキ」をもつ国として何を伝え、どう行動していくのか。そして今なお続く戦争をどのように解決していくのか。未来を担う世代とともに、平和を守る責任について改めて深く考えたいと思います。