学校紹介

ホーム > 学校紹介 > 校長あいさつ

校長あいさつ

第17代 現校長 小岩 利夫
第17代 現校長
小岩 利夫

 昭和17年の創立当時は、太平洋戦争の始まった翌年、戦争の起こらない世の中を作るためにはとの思いから、土光登美先生が建学をして76年になります。世界は未だに戦争が絶えることなく、複雑で変化の激しい時代です。そして、個人の能力が問われ、国際社会に活躍するために必要な適応能力や発信力など、総合力が求められています。また、それら全てを学校の教育に求めて、変化をもたらしています。

 今、橘学苑は未来に向けて様々な取り組みを進めています。

その1 中学校の「ネイチャーイン」とは

 グローバルな社会で活躍するために必要な英語の4技能はもとより、物事を深く考えて探求し、判断する能力と発表する力など生徒を育む内容には、十分な努力と工夫を加えた授業を展開しています。一方、教科学習の定着やより高い進路実績を求めるために、中学から新しいネイチャーインを導入し、自然体験を中心に発表力やグループ学習を重視した感動する授業を行う新しい改革に取り組んでおります。

 現在新しい授業の実践として、グループ学習やITを取り入れ、学年や教科を超えたアクティブな改革を実施しております。これと同時に、ネイチャーインとして自然体験を中心にしたプログラムを実践しているところです。

田植えが育てる感性教育

 長野県飯島にある学苑の施設アグリネーチャーで、入学して早々の時期に、二泊三日の田植えやそば打ち体験をしています。苗床を運ぶところから始め、広い田んぼに素足で入り、柔らかい土の中に、足首まですっぽりと浸って苗を数本まとめて植えるのです。田んぼの周りを流れる小川の水は、冷たく手が凍りつく程ですが、田んぼの水は太陽を浴びてぬるんでいました。片足ずつゆっくり上げて移動しますが、バランスを崩して田んぼに尻餅をついてしまう生徒もいました。それぞれに、手や足全体に感じた体験は、身体の5感に響く記憶として、一生忘れることがないと思うのです。

 日常の授業で感じた喜びや、自ら探求し考えて得た知識は、ネイチャーインで育てられた感性とともに、忘れ難いものになるのです。新時代を切り拓く能力や、学習能力の向上を追及するときに、机上の勉強といった直接的なことばかりでなく、自然体験を大切にした感性教育は、より進化した知識理解の大きな支えになっていきます。

ネイチャーインの秘密

 ネイチャーインは、単なる自然体験のプログラムではなく、地域の人との心の繋がりをも大切にしています。田植えとともに行ったそば打ちは、地域でそば打ち名人が会を作り、その人達がまとまって教えに来てくれるものです。観光用ではなく、時間をかけて本格的に粉の混ぜ方や、練る方法を丁寧に教えてもらいます。夕食には、自分達で打ったそばが食卓に並び、思い出とともに腹鼓を打つのです。

百聞は一見にしかず

 実際に体験したことは、聞いたことや何回も教えられたこと以上の理解が得られます。ただし、体験だからといって、無理に押し付けたものでは逆効果です。身体のどこかに触れて、快く感じられるようなものでなければならないのです。授業に取り入れたプログラムとして、週に一度校舎の傍にある農園に出て、野菜や花を栽培しています。野菜作りに必要な土を耕すことや、収穫したものを各自の家に持ち帰って食べて喜んでもらいます。また、文化祭では農園で収穫した野菜や、稲刈りをして得たお米を販売し、産地直送品の経済を学ぶことが出来るのです。

 このようなネイチャーインの経験からは感性だけではなく、作物の栽培に対する愛情や、多くの人を通じて喜んでもらう嬉しさが伝わってくるのです。日々の学習能力を高め、感性の成長とともに情緒の安定をもたらす相乗効果に加えて、自ら栽培したものから生きることの大切さや、自然の恵みを感じるようになるのです。 進学校でありながら、将来を見据えて多くのネイチャーインにより感性を豊かに育て、国際人に必要な人間愛の原点を心の教育とともに育むのが、橘の新しい改革です。